にゃんきちです。
今日はジブリの魔女の宅急便について!
魔女の宅急便は皆さんご存知かもと思いますが、13歳の魔女キキが相棒の黒猫ジジを連れて、ひとり立ちの修行のため家を出て、とある海の見える街に暮らすお話。その生活の中で、人々との関わりの中で、キキは色々なことを感じ、成長していく物語です。
そんなお話の中で、キキは魔力が弱まり、箒に乗って空を飛べなくなってしまいます。今までは分かった、ジジの言葉も分からなくなってしまいます。
この辺りのことを今日はちょっと書きたいと思います…!
好き勝手に書いている部分も多いのでそのあたりは大目に見てくれると嬉しいです・・・!!
キキは何故魔力が弱まったのか
きっかけは、風邪と仕事でのショック
キキは今まで何も考えなくても、手足を動かすように箒で空を飛んでいました。
でも、とある日。この日は18時からパーティーに招待されていました。宅急便のお仕事を余裕をもって切り上げれば間に合う予定でしたが、パプニングが重なりパーティーに行くことができませんでした。しかも、お仕事での荷物運び中に大雨に見舞われキキの洋服はずぶ濡れ。多急便のお仕事では品物の送り主は大変ありがたがっていましたが、受取人の方は全く嬉しそうではなく雑に品物を受け取って冷たく扉を閉められます。
雨に濡れたことや仕事の疲れからか、翌日キキは熱を出して寝込んでしまいます。
その後、黒猫のジジはまるで普通の猫のように振る舞い、キキと会話が出来なくなります。キキは様子がおかしいことに気づき、自分がジジの言葉を理解できなくなっていること、うまく空を飛べなくなっていること・・・「魔力が弱くなっている」ということに気付きます。
おそらく、風邪を引いたことで体が弱くなって、魔法の力も弱くなったのかなと思われます。
キキは「魔女は血で空を飛ぶ」というようなことも言っていましたし、体が弱まると魔力も弱まってしまうのかもしれませんね。
大人になれないキキの心と愛を知った黒猫のジジ
魔力の弱まったきっかけは風邪だと思います。
しかし、キキが具合が良くなっても、空は飛べず結局「魔女の宅急便」のお仕事はお休みに・・・。ジジとも話せないまま。
実は風邪をひいて治った日の朝はジジとも会話が出来ていたキキ。元気になったキキはパン屋のおそのさん依頼で「コポリ」という人への品を届けに行きます。
いつもは配達の仕事でも一緒のジジ。しかし、この時ジジは「はじめは気取っててやな奴だな〜」と思っていた近所の女の子の猫と仲良くなりデート中。キキは1人で品物を届けに行きます。
そして、キキの届け先「コポリ」はとんぼだったことが発覚!キキは驚きながら、誘われたパーティに行けなかったことに謝罪。今まで、キキが嫌がってちゃんと会話をしてこなかった2人ですが、この時初めてちゃんとお話し、仲良くなります。
その後に、とんぼの自転車に乗って海岸までちょっと危険なサイクリングをしたりしてキキは久々に大笑いして楽しい時間を過ごします。
でも、社交的なとんぼには他にも沢山の友人がいてとんぼに声をかけてきます。
とんぼは善意で、その友人たちとキキが仲良くなればと思い呼びかけますがキキは怒って帰ってしまいます。
キキにはとんぼと違って親しい友人もいない。
ここは故郷ではないから。
そして、唯一仲良くなれたとんぼはキキの他にも仲良しの人がいて、楽しそうな世界があって・・・。「仲良くなった、近づいた」と思ったら、羨ましい部分、自分にはない世界がみえて、何だか面白くなかったのかも知れません。
「結局自分とはこの人も違う。とんぼも楽で楽しい世界で生きているんだ」「私だってお洒落もしたいし、遊びたい」
子供染みた独占欲、子供でいたい自分。楽しみたい自分。
キキの心はまだ大人になりきれていない部分があったのです。
そうして、家に帰ると……ジジの言葉が分からなくなっていたのです。
ここのあたりの出来事で単純にわかることは、
ジジは初めは嫌っていた近所の猫さんと仲良くなって、良い関係を築くことができ、愛を見つけてしまったということ。
一方のキキも、初めは嫌いだと思っていた、近所のとんぼと仲良くなります。しかし、キキの意地っ張りだったり、子供っぽい心でとんぼの優しさを跳ね返してしまい、もっと仲良くできたはずなのに仲良くなれなかったということです。
この時ジジは、愛を見つけ、大切なものを見つけ、大人の心へと進みます。
でも、キキはまだ愛を見つけられていない、気持ちは子供のままです。
キキはとんぼに、ジジはリリーに。「愛」を通じて互いを見る世界が変わってしまった。
キキは陽気で明るいとんぼに少しずつ惹かれ、自分以外の仲良しさんがいると嫉妬してしまう位には好きになっていきます。
そして、ジジもリリーという彼女猫を作り大切な存在が出来ていきます。
今までキキとジジはふたりいつも一緒でした。
同じようなことを考え、理解しあってきました。姿形は違うけれど、キキとジジは互いを写しあう鏡だったのかもしれません。
でも、お互いがそれぞれ自分の世界を見つけ始めます。2人でひとつという精神世界が崩れてしまったのでないでしょうか。
今までは互いを映す鏡のような2人だったのが、精神的にも差が出てきてしまい心がずれてきてしまって、今までのように鏡にお互いを写せなくなったのかもしれません。
結果互いの言葉を理解できなくなったとも考えられます。
そして同時に、「ジジと話せない!!これは魔力が弱ってるはずだ!!」とキキが強く感じたことや、とんぼと仲良くできなかったこと、最近の仕事で少し自信を失っていたことが重なって、魔力を自身の思い込みで封じてしまったのでは・・・とも思います。
人として魔女として大人になるための試練
キキは魔力が弱まって落ち込んでいる時に、友人になった画家女の子ウルスラが訪ねてきて、彼女の家でお泊まりをします。
ウルスラは、絵を描くことが大好きで大好きで時間が惜しいくらいだったけれどある日突然何にも絵が描けなくなった時期があったと話してきました。
何を描いても気に入らない。そして、そんな時自分の絵は誰かの真似だったことに気付き、「自分の絵を描かないといけない」と思ったんだと。
「神様がくれたこの絵描きの血。辛いこともあるけれど、絵を描くってどういうことが前よりちゃんと分かった気がする」とウルスラは言います。
キキもきっと魔女として成長する時に来ていたのかも知れません。
とんぼやおそのさんと出会い、人の優しさに触れ、好きかもしれないという人が出来て…もう昔のジジやお母さんに頼りっぱなしのキキではもうありません。
もう色んなんことを知らなかった昔の自分とは違うし、もうキキは色んなことを知ってしまった。
知る前のキキにはもう戻れない。
町の人やお仕事を通じて、人の優しさに触れ、感謝されることのあたたかさを知った女の子。
しっかり自分というものが自立しつつある女の子です。
今までは、何も考えずにただ空を飛んでいたキキ。子供だったキキ。
でもこれからは、魔法を使って人の役に立つということ、ただ血で空を飛ぶのでなく、「キキの意志で魔法を使う」ということを学ぶためのひとつの節目の時期が来ていたのかもしれません。
ウルスラが「自分の絵を描かないといけないと思った」と気づきを得たように、キキも「自分の魔法を使わなければいけない」時が来ていたのかもしれません。
キキがウルスラのように自分自身で気づき、成長する時が来ていたのだと思います。
逆境は成長するチャンスって言うけれどこういうことを言うのかもしれないな〜なんて思ってしまいました。
とんぼの危機!キキの魔力が戻る!
キキは心で魔力を使う
とんぼが飛行船を見に行ったら、事故に巻き込まれ、飛行船と一緒に空に運ばれ宙ずりになってしまうという大ピンチなシーンがあります。
そこにキキは、なんと魔力で空を飛ぶことに成功!(しかも誰かのデッキブラシで空を飛んじゃう!!)
そして、空からとんぼを迎え、なんとか救出に成功します。
ついさっきまで空を飛べないでいたキキ。キキは、強く強く念じ、とんぼを助けたいと願います。そして、飛行に成功するのです。
キキは今まで母親の箒にまたがり何にも考えずに空を飛んでいました。
でも今回は、箒ですら他人のデッキブラシで正直アイテムは微妙。「母親のキキを応援してくれそうな箒」とは違って、キキとは何の馴染みのない「本当に他人みたいなブラシ」です。
でもキキの「とんぼを助けたい」「空を飛んで迎えに行きたい」「とんぼを死なせたくない」と言う強い想いが魔力となり、キキの「空を飛べない」という心配の殻も打ち破って、空を飛ぶことが出来たのだと思います。
この時キキは、他者を思いやる本当の心と愛を心から感じ、心で魔力を使える成長した魔女になったのだと私は思います。
正直、子供の頃の方がただ純粋に世界を見れるし信じることが出来る。信じることが出来るからこそ、世界は明るく見える。だからこそ、魔法も何も考えずとも使えるのかなと思います。
知らない方が幸せなことって思ったよりも沢山あって、大人になると少し世界が難しくなるし、信じ難くなる。疑念や迷いが増える。
でも、知ってしまったら知る前には戻れない。
知った上でどうしていくのか、何を信じるのか、自分はどうしたいのかということを考えていくことってとても大切なのかもしれないなと思います。
自分の世界や心を理解した上で、「想い」と共にやるべきことを選択していく、行動していく。色々なことを知った上で行動していくことはとても難しいことだけれど、すごくカッコよくて、素敵なことなのかもしれないと思いました。
その後ジジとは話せるようになったのかな
私は話せるようになったんじゃないかな〜と思います。
空を飛ぶ魔力も戻り、きっと心も成長したキキ。
しばらくして両親にキキは手紙を送ります。
「落ち込むこともあるけれど、私この街が好きです。」
旅に出る前のキキは人生には楽しいことしかないくらいのウキウキな女の子でしたが、新しい街での色々な出来事、挫折、新しい友達、嬉しいことを通じて「楽しいこともあれば辛いこともある」そんな当たり前のことを認めることができる大人な女の子へ成長しています。
心もきっとジジよりも成長しているはず。
キキがジジに心のチャネル的なものを合わせて、きっと会話もできるようになっているんじゃないかな〜、いやそうであって欲しい!!!と思います。
ということで今日は魔女の宅急便でした!
ここまでお読みいただきありがとうございました〜!
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